日タイ学生交流「サマーキャンプ」を8月1日〜4日まで小淵沢の「女神の森」でおこないました。
世界的なパンデミックで、予定していたOCAの活動の多くが中止に追い込まれました。これまで続けて来たタイ学生訪日研修プログラムも3年にわたり中止となり、お互い顔を合わせてのリアルな交流ができなくなったままで、残念な思いでいました。そんな中、日本への海外からの入国も緩和されタイから日本への入国の道筋が見えてきました。
8月1日から6日までタイから17人の学生と教授を迎え、タイの学生を日本によび日本の学生との交流を山梨県小淵沢にある「女神の森」の施設で実施しました。
タイからはチュラロコン大学から学生14名と教授1名、MFU(メーファルアン大学)から2名、日本からは中央大学17名、埼玉大学2名、慶應義塾大学からは10名の学生が参加、スタッフ4名を加え計50名での交流会となりました。
コロナ禍の中、細かいリスク管理マニアルを作成、感染対策を十二分に考え一週間前からの体温検査の実施、マスクの着用、毎朝の検温体制、手洗い消毒の徹底、抗原検査キットでのチェック等参加者全員の協力のもと一人として発熱者や感染者がでることなく実施することが出来ました。
8月1日 タイからの参加者は成田空港からバスで直接小淵沢へ。
15時日本の学生らと合流、オリエンテーションからサマーキャンプが始まりました。
自己紹介やグループ分けが行われ4日間の交流会がスタートしました。
2日目 農薬に頼らない食の安全性と環境に配慮した農業を実施している「女神の森」オーガニックファームでの農業体験を行いました。
昼食と夕食は農園で収穫した野菜や買い出しに行った食品でグループごとの料理対決。皆んなのアイデアで献立を決め幾種も料理を作り楽しい食事会となりました。
昼食後はグループごとに限られた時間で森の中に隠されたポイントを探し、仲間で謎を解いていく「お宝探し」に挑戦。森の中を駆けずり回り皆なで謎解きで競い合いました。
8月3日 タイ学生によるトークセッションを行いました。これは今年4月からのタイ勉強会の延長で「聞きたいけどなかなか聞きにくい問題」をタイの学生に聞いてみようという勉強会で、今までにタイの経済格差、バンコックのスラム、海外労働者の移住、山岳民族の問題についてセミナーや勉強会を重ねてきました。サマーキャンプでは日本の学生の皆さんに「聞きたいけどなかなか聞きにくいタイの問題」について、話し合いたいテーマを募集しました。何とこれが聞きたいという40以上のテーマが日本の学生の皆さんから上がってきました。
当日の司会は中央大の石田さん、チュラ大のイブ、慶応大の水野さん3人が担当してトークセッションを行いました。皆でトークセッションのテーマを以下の3つに絞ることにしました。
テーマ1「なぜタイではマリファナが合法になったの?」
タイでは最近大麻の栽培が許されることになった。日本では考えられないことなので、日本の学生から多くの質問がでました。イブがコンビニで売っているマリファナ入りのドリンクや、日本料理屋のマリファナ入りメニューの写真を紹介。ガーデニングで大麻を栽培している写真も紹介されました。大麻の栽培は薬用で、マリファナたばこの販売は違法だとの説明があり、日本の学生は驚いていました。
テーマ2「日本の天皇制とタイの王室について知りたい」
日本の天皇は国の象徴として存在している。タイの王室に関してみなさんはどのように感じているのか。日本の学生から質問がありました。学生たちで色々な意見交換がありました。
テーマ3「日本の若い人はLGBTについてどのように考えているの?」
タイの学生からLGBTについて色々な質問が出ました。日本の学生からも自分の友達の経験を紹介し、自分の意見を述べて話が盛り上がりました。
トークセッション後、庭に出てグループごとに考えたゲームをおこない、子供時代に戻ったかの様に走り回り大いに盛り上がりました。
夜にはバーベキューパーティと花火大会で交流。大盛り上がり!
4日目「女神の森」(アルソア)のオーガニックな昼食を頂いた後、サマーキャンプの振り返りを行いました。
ここで過ごした4日間の思い出や感じたこと、心に残ったことなどを語りあい友情を深めていきました。
あっという間の4日間が終わり、それぞれの思いを胸に初めてのサマーキャンプが終了しました。
キャンプ終了後タイからの学生は東京でI日を過ごす予定でしたがコロナ感染の危険性もあり日本の学生3人が同行し箱根へ向かい、1日を過ごすことになりました。
参加者のコメント
サマーキャンプ全体の印象
最初はとても不安だったが、4日間すごく濃くて良い経験ができたと本当に感じた。ぜひまた参加したい。(Mayuki)
大学では英語Onlyで話す機会がなく、英語の授業でさえも日本語で行われているため、英語を使って過ごす機会があってよかった。また、今回のsummer campは私が人として成長できる良い機会となったと感じている。summer campに参加して本当によかったです!!!!(Izumi)
コロナ禍を経てこんなキャンプが出来たことはすごいと思った。(Ayumu)
大学入学以来、コロナ禍で大きなイベントを経験することができていませんでしたが、今回のサマーキャンプに参加したことで、大学時代を代表する思い出ができました。(Airi)
施設もよく、不自由なく過ごせました。サマーキャンプの内容も充実していて、タイの学生たちとも話す機会が多く、イベントを通して仲良くなったことが良かったです。一つの目的に対してお互いに相談したり、行動できたことが楽しかったです。
最後の振り返り会もみんなの気持ちが聞けてよかったです。(Ryo)
とにかく最高の4日間でした。言葉や文化の壁を乗り越え、外国の方々とたくさんコミュニケーションをとって仲良くなるということ自体自分にとって久々なことだったので、めちゃくちゃ楽しかったです。タイの人達も他大学の人達も皆良い人ばかりで、最高の思い出をたくさん作ることができました。1日のスケジュールが終わった後の夜中も皆で深夜まで会話やゲームをしたりで家に帰る際はフラフラでしたが、100%全力でサマーキャンプを楽しめたと思います。(Kento)
全体を通して、沢山のイベント盛りだくさんでしたが、そのどれもがタイの学生とも日本の学生とも仲を深めるのに非常に良いアクティビティで凄く楽しむ事が出来ました。また、ファミリーを組んで行動する中で私自身が思っていた以上にお互いに仲を深める事が出来て驚き、国籍や言語の違いに関係なく皆で楽しむ事の出来た事にとても満足しサマーキャンプに参加して良かったと思いました。(Raimu)
人生で最高のキャンプでした。皆と一緒に楽しいキャンプの時間を過ごせました。議論をしたり、喜びや悲しみを一緒に分かち合えました。このキャンプを通じて学生の皆さんと、かけがえのない関係を築けました。(Tah)
サマーキャンプは学生同士をとても仲良くなれる機会を与えてくれるOCA プログラムの新しいマイルストーン(指標)となりました。。(ピティ)
今回のキャンプは自分を成長させ、また子供心を取り戻すことで好奇心をもち、これからの生活でどのようなことを意識して生きていけばいいかということを示す道標となったと思う。
(過大評価してるわけじゃないです!!!)(Izumi)
自分になにが足りないか、がわかった。言語で壁があるのは悔しかったし、満足に喋れないのが嫌だったので、真剣に改善したいと思わされた。刺激を受けれて本当によかったです。(Ochii)
プログラムについてのコメント
タイの王室に関して、日本に来てくれているからこそ聞ける意見を聞けたのは、大変価値のある経験だったと思います。トーク会の後にも何人かに意見を聞いたのですが、ピティ先生の意見とはだいぶ違っていて、世代によっても考え方が異なるのだなと思い聞いていてとても面白かったです。一人一人が国のあり方に対して強い意見を持っているというのは素晴らしい事だな、と思いました。(Kento)
宝探しなどの幾つかの活動は日本語で行われたので、タイの学生はあまり理解できませんでした。タイ人にも日本人にもわかるゲームや課題があれば良かったなと思います。トークセッション(討論会)やキャンプ活動はとても楽しいので、より長い時間があれば良かったなと思います。あと、もう少し値段が安ければタイの学生には嬉しいです。 全体として、日本でみんなと一緒に過ごせたのは最高だったです。(Eve)
最後の振り返り会でみんなと意見を交換できて非常にいい時間を過ごせたと思う。3日目の午前中にあったトークセッションでも、タイの人と意見交換することができてたのしかったが、もう少し時間が欲しかった。(Seina)
BBQと花火がとても印象に残りました。最終日ということもあり、みんなの仲が一気に縮まったように感じました。(Rinto)
料理とタレントショーは、友達を作るのにはとても有効な方法です。 (ピティ)
お料理対決をする際に量が多すぎてたくさんの料理が生ゴミになってしまったことが悲しかった。もう少し時間に余裕を持ったタイムスケジュールだと動きやすかったかなと思う。(Seina)
全体的にとても充実した4日間だったのですが、宝探しが、全て日本語で、翻訳機もなかったので、タイの学生が参加するのが難しかったと思います。もし可能であれば、英語のバージョンの宝探しを用意して下さるとありがたいです。(Miki)
私の意見では、タイの学生がもっと楽しめるように、宝探しには英語でやるべきだったと思います。 (Belle)
その他アンケートからのコメント
サマーキャンプを行うのに適切な参加者の人数を聞いたところ、72%が50人程度、22%が40人程度との答えでした。
このようなキャンプを行うのに山と海のどちらが良いか聞いたところ、63%が海、28%が山でした。
約3年近く実施出来なかったリアルに顔を合わせての交流プログラムが実施出来たことは
本当に感慨深いものがありました。世界的なパンデミックの中、確かに技術的な交流方法は
発展しそれなりの効果を享受してきましたが、矢張り実際に顔を合わせ、話が出来ることの
素晴らしさを改めて実感できた4日間でした。お互いの国の文化や生活、物の考え方、参加
した人たちのそれぞれを知り、その違いの気づきを知って理解しようと皆んなが努力して
いた姿は、なにものにも変え難いものでした。タイ人と日本人との間の違いだけでなく、こ
こに集まった全ての人たちが自分との違いを知って、その違いを考えてみる、そして互いを
尊重し、一つのことを協力して完成させていくことの素晴らしさ。それを共有できたサマー
キャンプであったと感じています。
以上